ゴー宣DOJO

BLOGブログ
切通理作
2011.12.30 01:02

次回のゴー宣道場について

1月15日(日)に行われる
  『第21回・ゴー宣道場』 のテーマである
「ソーシャルメディアの罠」について考えています。

最近、芸能人がツイッターでうっかりつぶやいた
ことが問題になって事務所を解雇されたり、
ツイッターでの発言が問題になって
戒告処分になった大学教授がいます。

芸能人も学者も、
「公に発信する」職業をしているはずなのに、
ツイッターになると無防備になってしまう。

本当はツイッターでの発言も公開である以上、
自己責任で、
あるいは何かに言及する際の各方面への波及を考えて、
推敲をした上で発表するべきなのですが、

それをあたかも
ここは私的なつぶやきですよ、
敷居が低いですよ、

・・・・・という設定を、
システムを考え供給する側の人間が仕掛けてくるということ。

それ自体が「ソーシャルメディアの罠」
だと思うわけです。

ステージに立って人前でものを言ったり、著作で記すような
緊張感から遠ざけてくれるシステム。

しかし実際には、
ソーシャルメディアが免罪装置を用意してくれてる
わけではありません。

言ってみれば
道路標識やガードレールのない
急カーブありの道路に、
「何も心配ない」と言って誘い込む
ようなものではないでしょうか。

結果、一番危険なところで
一番無防備な部分をさらけ出してしまう。

同じツールでもたとえば
ゴー宣道場でもやっているメーリングリストが
参加者の中で取り決めがあるように、
意見を取りまとめる人や
責任の所在が明らかになっている場合と、

誰かが作った「システム」しかない場合に
分れます。

後者の場合
小林よしのりさんが先日ここのブログで書かれたように
「ネットの情報や
発言の無責任さは
もう手が付けられない
有り様」
という状態になってしまうのではないでしょうか。

そこに
犯罪すら
誘発しかねない
「空気」が醸成されても、
まさに「手の施しようがない」。

ソーシャルメディアに
「危険な罠」を感じる小林さんには
本能的な直感があると思います。

そして
重要なのは
「リテラシー能力のない者」
の方が膨大に出るように、
システムが作られている
ということなのだと思います。

そこが
「ソーシャルメディアへの
懐疑を普遍的なものとして
感じる」
という小林さんの
問題意識につながるのでは
ないかと。

ネットに新しい時代の
コミュニケ―ションの可能性を
肯定的に見る率の多い人は、
一部のリテラシーのある人たちを
基準に考えてるところがあるのでは
ないかという気がします。

ネットに対して
どっぷり浸かり、
詳しくなればなるほど、
むしろそうなる気がします。

ネットに詳しいと標榜する
イメージ・リーダー的論客が
リテラシー能力を言挙げすればするほど、
ソーシャルメディアが
「リテラシー能力のない者」を
構造的に生み出すシステムであることを
隠ぺいしてしまうのではないでしょうか。

小林さんから
今度の
「ソーシャルメディアの罠」
というテーマで
ゲストを呼ぶとしたら
誰がいいかと相談された時、
佐々木俊尚さんの名前を挙げたのは、
実はそこと関係があります。

佐々木さんには新聞記者の経験があります。
インターネット社会と
既成の紙メディアの両方を知っていて、
その限界と可能性を
併せて論じられる人だと思います。

ネットだけにどっぷり浸かっている人は、
視野狭窄になるおそれがある。
そういう人たちだけで集まって
「僕たちは新しいよね」
「革命だって起こせるよ」
「国家をとうに超えてるし」
と言っているだけになる。

一方、ネットに本能的な危険を感じて
距離を置いている人は、
そういう人たちだけで
「ネットには『生身』がない」と
言い合っているだけになりがち。

両者が同じ席で対話するってことは
あんまりない気がするんです。

今度の『ゴー宣道場』が
そういう場になるといいと
思います。

小林さんは
「次回はわしも
主張するより
勉強したいですね」
とおっしゃっていますが、

SAPIOの欄外では
こう書かれています。
「ツイッターやフェイスブックや
ネット関係への
わしの偏見を
なくせるか?」

僕も、自分の認識がどう変わるか、
変わらないのか、
確かめてみたいと
思います。

皆さんも、
ネットに関して
普段から考えてることを
教えてください。

来年の道場一回目、
お会いできるの
楽しみに
しております。

応募は返信用葉書で1/4(水)必着。
まだ間に合いますよ!

××××××××××
平成24年1月15日(日)
 『第21回・ゴー宣道場』 は「ソーシャルメディアの罠」。
 ITジャーナリストの 佐々木俊尚氏 をゲストに、ネットやツイッターやニコニコ動画などのメディアについて分析。
応募は返信用葉書で1/4(水)必着。
詳細はhttps://www.gosen-dojo.com/index.php?key=bbu4c6xk9-24#_24

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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